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  • 飼育用品の使い回しはできますか?(殺菌・除菌・消毒)


飼育用品

以前飼育していたハムスターが亡くなって、捨てずに置いていた飼育用品。
後日新しくお迎えしたハムスターに使っても問題はないのでしょうか?


問題があるケース


寄生虫下痢で亡くなったハムスターの飼育用品を家庭用洗剤で洗って保管ししておいた。
 ↓
後日お迎えしたハムスターのために保管しておいた飼育用品をセットして使用した。

普通に中性洗剤での洗浄+乾燥保管しただけでは死滅しない細菌が存在します。
洗浄が不十分だった場合、寄生虫や卵が残ってしまっている恐れもあります。

洗ったからと安心して新しい子に使用すると、前の子が亡くなったのと同じ病気にかかってしまう確率が高くなります。

寄生虫や細菌性の下痢、もしくは細菌性の病気を発症して亡くなったハムスターの飼育用品は、できれば捨ててしまって、新しい子には新しい飼育用品を用意してお迎えするのが一番安全です。


殺菌・除菌・消毒


全て廃棄処分する手段は簡単ですが、また一から飼育用品をそろえるのも費用がかかり
実際行っている方は少ないと思われます。

そこで、飼育用品をしっかり洗浄殺菌してからおさがりとして使い回す方法もあります。

塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)

キッチンハイターなどの漂白剤を薄めた液に飼育用品をつけおきすることで
飼育用品を殺菌・消毒することができます。
(赤ちゃんの哺乳瓶消毒用製品も成分は同じです)

希釈倍率やつけおき時間は説明書きをよく読んで守って使用して下さい。

つけ置き後、流水でしっかりすすがないと臭いや希釈溶液が残ってしまいます。
(希釈溶液はハムスターの健康を害する恐れがあります)
給水器や細かい部品の多い飼育用品は、特に念入りな残液チェックが必要です。

金属を腐食させる作用がありますので、ケージなどの部品で金属製のものは
浸さないようにして下さい。

酸性のもの(トイレ用の洗剤やお酢)や排水口のヌメリとり剤・アルコール・生ゴミ等と混ぜると
有毒なガスを発生しますので取り扱いには注意が必要です。


逆性石鹸(ぎゃくせいせっけん)

普通の中性洗剤は汚れを落とす効果はありますが、殺菌効果はありません。
逆に、逆性せっけんはほとんど洗浄力がありませんが、強い殺菌力を持っています。

中性洗剤で洗浄した後に逆性せっけんで洗うと殺菌効果があります。

但し、中性洗剤と混ぜて使用したり、順序を逆(逆性石鹸→中性洗剤)に使用すると
全く効果はありません。


熱湯消毒

熱湯消毒とは最低でも80度以上のお湯で消毒することです。

一般家庭の湯沸かし器の熱湯で流しても、お湯の温度はせいぜい60〜80℃ほどしかなく
熱湯消毒になっていません。

コンロで沸騰させた熱湯や電気ポットの湯で流すと効果があります。
小さなものならなべに沸かしたお湯で煮沸消毒してもよいでしょう。
やけどにはくれぐれも注意して下さい。

ガラス製品(水槽など)は割れる恐れがあるので危険です。

プラスチック製品でも変形する恐れもあるで、商品の耐熱温度をちゃんとチェックしてから熱湯消毒するようにして下さい。

我が家ではスチームクリーナーが活躍中。


日光消毒

日光の紫外線と乾燥の効果によって細菌を殺す効果があります。

最低でも3〜5時間は日光に当たるような場所に干した上で
完全に乾燥させないとあまり意味がありません。

曇りの日や梅雨の季節は湿気が多いので、あまり乾燥の効果が期待できません。
不十分な洗浄で干すと、逆に菌を増殖させてしまう恐れがあります。

天日干した場所、期間によっては花粉や埃、排気ガスなどで汚れてしまうので注意して下さい。

住居ケースを日光消毒している時のハムスターの新しい住居スペースを用意しなくてはなりません。
数時間ですので移動用ケースや脱走されない深めの衣装箱などで代用して下さい。
(なるべくハムスターのストレスのかからない方法を模索して下さい)

くれぐれも段ボール箱に入れるのはやめましょう。
ハムスターが本気になれば、ものの数分で穴を開けて逃げることができます。


消毒用エタノール(消毒用アルコール)

消毒用エタノールと消毒用アルコールは同じものです(名前が違うだけ)

100%のエタノールにはほとんど殺菌・消毒力がありませんので、消毒用エタノールとして販売されているものはたいてい80%ほどに希釈されています。

「消毒用エタノール」として販売されているものは、すでに希釈済みのものなので
さらに希釈して使うのは効果を低くするだけです。

一般的に手に入りやすいものとしてアルコール除菌スプレーがあります。

サトウキビやトウモロコシなどの農作物を原料とした発酵アルコールを使用したものでしたら
食べ物に付着しても害はありません。
スプレー式のものが多く、揮発性も高いため、吹きかけて数分で表面は乾燥します。
(乾燥したところをハムスターがなめても大丈夫です)

但し、中性洗剤などで汚れを落としてから吹き付けないと効果がありません。
(洗浄していない飼育用品に吹き付けてもあまり意味がありません)


うんちく

殺菌・・・菌を死滅させること
除菌・・・目的とする対象物から菌を除去すること

どちらも完全に菌を死滅・除去させる(滅菌)わけではないので
菌が多少残るという点では同じ意味合いです。

医薬品、医薬部外品などの薬剤では「殺菌」と表現して
洗剤などの雑貨品では「除菌」と表現します。


避けたほうが無難


木製品は廃棄処分を

木製品は雑菌がつきやすく、ついた雑菌を取り除くのが難しい素材です。
付着したにおいも取り除きにくいので、前ハムスターのにおいを嫌う可能性もあります。


飼育用品洗浄用のスポンジを

食器を洗うものと同じものを使うのは危険です。
ハムスター飼育用品を洗う専用のスポンジ、ブラシを用意・保管して下さい。


中途半端な殺菌(除菌)消毒

中途半端な殺菌(除菌)消毒は止めましょう。

・用具の洗浄/殺菌はしっかり行うのに、ハムスターを触れた後は手を洗わない
・湯沸かし器からの熱湯で洗って日干し、乾かないうちに撤収
・除菌スプレー信者となって、スプレーするだけで大丈夫と思い込む
・中性洗剤で洗わずに熱湯消毒や塩素系漂白剤につける
・「除菌のできる洗剤」で洗って除菌した気分になる
 (「除菌」表示の洗剤に過大な期待を持たないように!!


問題ないケース


飼育用品を中性洗剤でしっかり洗浄した後、塩素系漂白剤に浸して流水で洗い流し
熱湯消毒した上で3時間以上の天日干し(日光消毒)をして保管した。
使い始める前に再度洗浄してアルコール除菌スプレーを噴霧してティッシュで拭いた。

かなり念入りで丁寧な洗浄+殺菌(除菌)ですが
ポイントは複数の作業を行っていることです。

日々の掃除ならば中性洗剤での洗浄のみで済むかもしれませんが
下痢や細菌性の疾患で亡くなったハムスターの飼育用品には念には念を入れて
しっかり洗浄+殺菌(除菌)しますと、安心して新しい子を迎え入れることができます。


お世話としての注意


普段からの心がけ

・ハムスターを触った、お世話した後はしっかりと手洗いをします
・糞便は直接触らないようなお世話をします(特に軟便、下痢が見られる時)


やりすぎでもなく、手抜きすぎでもなく

掃除の頻度は飼い主によって色々なパターンがあります。

毎日懇切丁寧に行う方、週一回、月二回、月一回と決めている方と様々です。

飼い主の負担にならないペース、しかしハムスターの生活環境を不衛生にしないペースを考えて掃除・お世話を行いましょう。

寄生虫や細菌性の下痢や疾患の闘病中は、普段以上にこまめな洗浄+殺菌(除菌)が必要です。

●毎日必ず行うべきお世話

食事の交換/水の交換/トイレの掃除


●週に一回以上は行うべきお世話

飼育用具の洗浄/巣材の交換


●月に一回以上は行うべきお世話

飼育用具の殺菌(除菌)/床材の交換


 参考リンク
アルコール Q&A(ジェー・アルコ)
除菌Q&A(花王)
消毒と殺菌(飼鳥情報センター)
消毒剤のいろいろ
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